1978年5月9日 新聞によれば鶏頭色のルノー4のトランクで、アルド・モロの遺体が発見される。レオナルド・シャーシャの書いた『モロ事件 テロと国家』の冒頭に付された事件日誌にはこうある。
ところが、この事件を題材にしたマルコ・ベロッキオ監督の『夜のロケーション』は、モロが生還し、極秘入院した病院に、内務大臣フランチェスコ・コッシーガ、ジュリオ・アンドレオッティ首相、キリスト教民主党幹事長ベニグノ・ザッカニーニの三人が慌ただしく駆けつけ、無理を押して、面会し、それぞれがモロと視線を交わす場面で始まる。
全6エピソードからなるRAI制作のこのTVシリーズでは、モロと彼らのあいだの関係あるいは、モロが囚われの身となっている間の各々の思惑や妄想から当時のイタリア、そして現在のイタリアの根底にあるものが引きずり出されるのではないだろうか。元首相で与党キリスト教民主党党首アルド・モロを乗せた青いフィアット130と警備要員を乗せた後続の白のアルファロメオ・アルフェッタが、待ち伏せていた赤い旅団の連中に銃撃され、運転手と護衛5人が殺害され、モロが誘拐されたのは、1978年3月16日のことだった。
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