囚われの身となったモロが書いた最初の手紙の受取人とされ、実際彼を自分の「父」と位置付けている内務大臣のコッシーガ(2000年代のベロッキオ映画の常連ファウスト・ ルッソ・アレシ )も役職的には警察のトップであるからか、誘拐されてしまったことにすさまじい自責の念にかられ、まるで、マクベスのように、自分の手が汚れていないかと周囲の人間に確認させたり、何も見えない真っ暗な部屋に自分から閉じ籠ったりして、精神の安定を保つようなありさまだ。後の述懐によれば、モロは彼を双極性障害だと疑っている。
第二話が主にコッシーガに焦点をあわせているとすれば、続く第三話は、教皇パウロ6世(名優トニ・セルヴィッロ)がその対象となる。この事件から一年と経たぬうちに他界してしまう彼は、体調がすぐれず、十字架の道行きの祈りもままならず、大きな十字架を背負い、政界関係者の一団の先頭をよろめきながら進むモロの姿を幻視してしまう。
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